断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「譲れない条件なんて人それぞれじゃん。わたしはイケメンじゃないと絶対にヤなの!」
「あーはいはい、ノーイケメン・ノーライフね」
「そうよ、分かってるじゃない。理想は中性的なさわやか系なんだよね。あーあ、夢で見た天使がこの世界にもいたらいいのになぁ……」
「夢で見た天使?」
「うん、日本でゆいなともみ合って、階段を転げ落ちたあとなんか夢見てさ。そこにすっごく好みのイケメン天使が出てきたの」

 わたしの名前を呼びながら、ボロボロと涙をこぼしてたっけ。
 今思い出しても胸がときめいちゃうし。

「ずっと見ていたいって思うくらい綺麗な顔してたなぁ。まぁ、その直後に目を覚ましたら、この世界で王子の山田にひざ枕されてたんだけど」

 今思えばあのときこそが、ゲームの令嬢ハナコとわたしが入れ替わった瞬間だったんだよね。
 はぁ、ここまで来るのにホントいろいろあったって感じ。

「とにかく卒業まであともう少しだし。ギロチンエンドとも、山田とも、禍根を残さないようにきっちり(カタ)をつけるつもり」
「ギロチンの世界線はもう大丈夫でしょ。王子の件は、ま、頑張って」

 もう、未希ってばほんと薄情者っ!
 ゆいなとイチャコラしっぱなしの健太よりかは、何万倍もましだけどさ。

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