断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ごめんだけど、わたし冬カメ終わるまで忙しんだわ。それまでは何かあったら健太にでも相談しといて」
「了解。年に二回の祭典だもんね。目一杯たのしんできてよ」
「ありがと。んじゃあ、もう帰るわ」
「忙しいのに時間取らせてごめんね。話聞いてくれてありがとう」
「……ねぇ、華子」

 出て行こうとした未希がふいに動きを止めて。

「なに?」
「ん、いやさ。健太とあの子のこと……あのまま受け入れちゃって、華子は本当にあれでよかったの?」

 健太とゆいなのこと?
 そりゃわたしだって、ゆいなにされたことも健太の裏切りも、初めは許せないって思ってたけど。

「昔のことアレコレ言ったって、もうどうにもならないじゃん。それよか今は、山田をかわす方に集中したいってなってるし」
「そ。華子がいいなら別にいいんだけどさ。わたしがもし華子だったら、どんな手使ってもふたりを地の果てまで追い詰めてやるけどね」

 うっわ、未希ならマジで空恐ろしい逆転ざまぁをやってのけそうっ。
 健太もゆいなも、寛大なわたしに感謝してって感じだよ。

「ではハナコ様、お先に失礼させていただきますわ」
「ええジュリエッタ、気をつけてね」

 清楚な令嬢モードに戻った未希を見送って。
 さて、わたしも帰りますか。
 そう思ってサロンを一歩出ようとしたら。

「ハナコ!」
「しゅ、シュン様!?」

 ふぉっ、びっくりしたっ。
 っていうか、見計らったように転移魔法で現れてくんなっつうの!
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