断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 たまらなく愛しくなって、気づいたら山田にキスしてた。
 初めてじゃないけど、急に恥ずかしさが込み上げてきて。
 あわてて顔を離したら、山田がばっと自分の鼻を両手で覆い隠した。

「きゃーっ、シュン様ぁ……!」

 ボタボタとしたたる鮮血に、とっさに二枚ティッシュを魔法で飛ばす。
 ズボッとはまった鼻ティッシュがなんとか鼻血をせき止めた。

「もう、仕方のない方」
「す、すまないハナコ。いま浄化の魔法をかけよう」

 血濡れたベッドが真っ白さを取り戻すのと同時に、探し当てた眼鏡を山田はすちゃっとかけた。

「ハナコ、いまはまだ我慢するが……ハナコがきちんと回復したら、もっとちゃんと仕切りなおさせてほしい」

 し、仕切りなおすって、キスをっ!?
 そんな改められると、めちゃくちゃ恥ずかしんですけどっ。

「ダメだ、これ以上いたら歯止めが利かなくなりそうだ。また見舞いに来る。夜中に起こしてすまなかった。今度は明るいうちに来る。もし来られなかったら夜に来るが、ハナコが眠っていたら寝顔だけで我慢する。絶対に触れたりしない。寝顔だけだ。寝顔を見るだけだっ。ああ、ここにいては危険だっ。ハナコがっ、ハナコが可愛すぎるっ。お休みハナコ、また明日(あす)に会おう」

 早口でまくし立て、鼻ティッシュのまま山田はぱっとかき消えた。
 しばらくこみ上げる笑いが止まらなくって。

 ってか、可愛すぎるのは山田の方でしょ。
 なんてことを思ったわたし、相当痛いってなったけど。
 前世からの約束じゃあ、反故(ほご)にするのも可哀そ過ぎるし?

 責任取って、ちゃんとしあわせにしてもらおっと。
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