【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「父上、オリビアを連れて参りましたが、クラレンス公爵が若干お怒りの様子でしたよ」
「ああ、そうだろうな。そなたには面倒な役回りをさせてすまない。ひとまず堅苦しい挨拶は抜きだ。今日は内々の話なので寛いでくれ」
陛下と王妃殿下が立ち上がり、反対側のソファに促されたのでヴィルと共に座り、二人と向かい合う。
「よく来てくれたな、急に呼び出してすまない」
「陛下の行動はいつも突然ですからね、オリビアも驚いたのでは?」
私を気遣う国王陛下のお言葉に、王妃殿下が嫌味を込めた言葉を返しながらニヤリと笑っている。
それに対して陛下は苦笑するのではなく普通に笑っていて、私の気のせいでなければ、どうやら王妃殿下に嫌味を言われるのが好きであるように見えるのだけれど……気のせいではなさそうね。
陛下ってそういう女性が好きなのね?
そしてこれにはどう答えたらいいのかしら……と考えていると、すかさずヴィルが答えてくれた。
「父上からオリビアを連れて来てほしいと言われた時は驚きましたが、どうせ父上の事だからクラレンス公爵を避ける為に、こんな回りくどい事をしたのでしょう?」
「ははっ、そうだ。フェルナンドはオリビア嬢の事になると頑固で、少しでも怪しい場所には絶対に行かせたがらないからな。許可を取るのも面倒なのでヴィルヘルムに頼む事にしたのだ」
「まったく……親子揃って、分かっていながら人を振り回すのが悪質だ。オリビアからも文句の1つでも言うがいい」
「え……その……」
文句と言われても何に文句を言えばいいのだろう。
この面子に堂々と文句を言う為には、心臓が100個くらいないと無理なのではないかしら。特に何も嫌な事もないし、ひとまず私は行くつもりだという事を陛下に伝えた。