【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「私からは特に何もございませんわ。王太子殿下がご一緒ですし、ぜひ建国祭に出席したいと考えております」
「そうか!オリビア嬢はフェルナンドとは違って実に柔軟な考えの持ち主だな」
陛下はとても嬉しそうにニコニコしながら私の手を握り、上下にぶんぶん振っている。
そんな私達の手をヴィルと王妃殿下がべりっと剥がすように離れさせ、ヴィルと王妃殿下の行動が全く一緒で親子なんだなと感じてしまう。
「ドルレアン国へは私1人でも良かった気がしますが」
ヴィルが陛下にそう言い始めたので意外に感じ、2人の顔を交互に見る。
確かに我が国の建国祭にはレジェク殿下お一人だったし、ヴィルが一人で行っても問題ないと思う。
レジェク殿下には婚約者がいないからかしら?
「いや、2人で行った方がいいだろう。彼の国はそなたにとってあまりいい国とは言えない。特に国王であるそなたの伯父がな。それに……」
陛下が真剣に少し考えているような様子を見せるので、何を言うのかとドキドキしながら皆が固唾を飲んで陛下のお顔を見つめている。
「新婚旅行というわけではないが、2人で観光してくるのも楽しいだろう?」
ははっ、と笑いながら言い放つので、私と王妃殿下は呆れ顔になり、ヴィルはなぜだか頬を赤らめているように感じた。
「父上の事ですから、どうせドルレアン国内の様子見も兼ねているのでしょう?」
「よく分かっているではないか。さすがは我が息子だ。彼の国に連れ去られた者も多い……」
私は陛下の言葉にハッとする。
司教や司祭が子供たちを連れ去り、人身売買を行っていた取引先の1つがドルレアン国だものね。
そういう意味でも国内を見てみたい気持ちがどんどん湧いてきた。
でもその前にソフィアの事をお願いしないといけないわね。