【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
我々がどの程度なのか、試されていたのか?
ひとまずゼフとイザベル嬢には動くなと手で制した……2人は私の動きを察してすぐに冷静に挨拶に徹してくれる。
イザベル嬢は女性だが護衛としてもとても優秀である事は間違いないな。オリビアは自身の友人を護衛にする事は嫌だろうが、正直オリビアの傍に彼女のような鍛えられた女性がいてくれるのは心強い。
ラスは先ほどまでの殺気は跡形もなく消し去り、オリビアに爽やかに挨拶をした後、ソフィアに目線を合わせて挨拶をしていった。
2人は何も分からないだろうから彼を歓迎し、嬉しそうに話している。
さっきまでのは気のせいだったのかと思えるほどに――――この少年には最大限の注意を払わなくてはならないな。
スムーズに挨拶を終えた私たちは用意されていた馬車に乗り、王都の大通りを通りながら王城へと向かった。王族を乗せた馬車と知っているのか、馬車に向かって民が皆手を振っている。
その様子を見る限り国がそれほど廃れているようには見えず、民の暮らしには活気があるようにも思える。
「母上が話していたような様子には見受けられないが……」
「同じことを思っていたわ。むしろ賑わっているようにも思えるのが不自然に感じるの」
「…………やはり街中を歩いてみない事には分からない、か」
オリビアも私と同じ事を考えていたようで、優秀な彼女らしい見解に少し嬉しくなる。国としても体裁があるだろうし、本来の姿をそう簡単に見せるはずがないか。
「ひとまず国王夫妻にご挨拶しなくていけないわね」