【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
レジェク殿下の言葉に鉱夫長が慌てて返事をする。
?…………レジェク殿下の様子が何かおかしい気がして、ヴィルやイザベルと目線を交わした。
「私たちは特に問題ないけれど」
「いやぁ、奥に行けば有毒なガスが発生する時もありますから、あんな危険な場所に連れて行けません」
「そう」
ザンダ鉱夫長の話にイザベルが反応し、「そのような場所にオリビア様を連れていくわけにはいきません」とピシャリと言われてしまう。
奥の方もどんな感じか見てみたかったけれど、確かに有毒ガスは危険ね。
でも作業している人々はいるのよね……命がけの労働なのに、働いている者たちの顔をみると、なぜだか生き生きして見える。
賃金が良いのかしら?
結局斜坑に入る寸前で折り返す事になったのだった。
私たちが見る事が出来たのは手前の横坑のみ。
発破採炭を行う採炭夫と手掘り採炭をする鉱夫、木材を使って枠を組み、壁面を矢木で押さえて落石などを防いでいるしっかりとした坑内……横坑はそれほど危険には見えず、その部分だけ見学して出てきたのだった。
そこに子供の姿はなく、成人した男性と女性の労働者のみだったので、何となく胸をなでおろす。
「ねぇ、ザンダ鉱夫長。ここでの労働はやりがいがある?皆生き生きとして見えるから」
「はい、もちろんです。鉱夫は待遇の良い仕事ですし、王族の方々が何かと気にかけてくださるので、我々もやる気になるんです」
「でも、炭鉱内は危険でしょう?確かメタンガスが発生する可能性があるんじゃなかったかしら」
「メ……?」