【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
その土地に住む人々の色んな話を聞き、時には食べ物をいただいたり、お土産をもらったりと割と楽しい日々。
そんな時にヴィルとオリビアがドルレアン国に行くという話を陛下から聞く事となる。
私が地方行脚している事に感謝の意を示す為に陛下が私の願いを聞いてくれる、というありがたいお話をいただいて、応接間で話をする機会があったのだ。
「え゙、ヴィルとオリビアがドルレアン国に?!」
「そうなのです。なかなか難しい国なのですが、建国祭は我が国も行かないわけにはいかなくて」
「じゃあ、私も一緒に行きたいです!お願いはそれでいいですか?」
「え、ええ。もちろん。そんな事でいいのですか?」
陛下は驚きながら聞き返してくれたけど、私の気持ちは決まっていた。
「もちろんです!!」
ハミルトン王国以外の国に行く事が出来るのも嬉しいし、あまり良い国ではないなら、きっと私の力がオリビアの役に立つはず。
こうして無事に(?)皆と一緒にドルレアン国に行く事ができた私は、異世界で帆船に乗る事も出来てウキウキな旅を満喫していた。
そう、ドルレアン国に着いて、ラスに出会う前までは。
出迎えてくれた要人の中に通訳として交じっていた彼は、見た目は天使のようなのに彼からは良くないもの感じてしまう。
私は聖女としてこの世界に召喚されたわけだけど、自分の力には色々なものがあって、自然を操る力、植物に働きかける力、治癒する力――――中でも治癒能力の一種なのか”病気”が見えてしまう時があるのだ。
彼の中で小さな病魔が巣食っているのが見えてしまう。
いや、楽しい旅行を満喫とか言ってる場合じゃない。
一緒に王都を観光していてもラスの存在が気になって仕方ないのよね。
「あんたも、何か困った事があったら私の聖力で助けてあげなくもないわよ」
「…………大きなお世話です」
「何よ、赤くなっちゃって~~」