【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
ラスの言葉にマリアは「冗談言ってる場合じゃないの」とツッコんでいた。
「そんなに沢山、炭鉱があるの?」
私がレジェク殿下の方を見ると、殿下は気まずそうに頷く。
でもそんな事よりもおかしな事は、湖にいる人々があまり慌てていないという事。
皆、口々に「また?」「すぐにおさまるでしょ」「うるさいなー」などと他人事のような口調で話しているのだ。
「どういう事?事故が起きたなら人命救助に向かわなくてはならないでしょう?!どうしてこんなに……」
「それは…………」
私の問いにも殿下からは全く歯切れが悪い言葉しか返ってこない。
もういい加減しびれを切らした私は、みずから動く事にしたのだった。
「分かったわ、この国の人が動かないなら私が行きます」
「オリビア!」
ヴィルが慌てて止めようとしたけれど、私の決意は固いのよ。すぐ近くで事故が起きているのに誰も救助に向かわないなんて。
「危ない事はしないわ。ただ怪我人がいたら放っておけないから」
それにレジェク殿下の様子を見る限り、嫌な予感しかしない。早く確かめなければ――――
「オリビアが行くなら私も行く!!」
「私もお供します」
マリアとイザベルが声を上げてくれる。
友達ってありがたいわね……マリアは治癒も使えるし、一緒に来てくれたらとても助かる。
「レジェク殿下、何も言えないなら案内くらいはしてくれるわよね?王太子ですもの、場所くらいは分かっているはずでしょうし」
「え、ええ……」
思い切り睨みを利かせて炭鉱の場所を聞くと、やはり歯切れの悪い返事しか返ってこない。
そうよ、これほど皆が無関心なのだからすぐに気付くべきだった。