【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「彼らは私たちの船で連れて帰ります。よろしいですわね?」
「ええ、もちろんです。謝罪して済む話ではありませんが、彼らの身の保障は私が約束します。そして父上にも悪しき慣習を止めるように進言すると誓います」
「感謝いたしますわ、殿下」
レジェク殿下は憑き物が落ちたようにスッキリとした表情をしている。
今が親離れをする時なのかも……火の神だったり、国王の神格化だったり、問題は山積みだけど、何とかしようとする王族がいるだけでも違ってくるわよね。
殿下が変わっていく事で、人身売買の件も徐々に解決していくといいのだけど。
「さっそくですが明日、陛下とこの件で話がしたいので、会談の場を殿下に取り次いでいただきたい」
「分かりました」
レジェク殿下はヴィルの要求にも言葉を濁す事はなく、すぐに返事をしてくれた。
物凄い変わりようだけど、マリアに詰められて完全に腹が決まったのかもしれない。
陛下との会談にはもちろん帯同させてもらおう。
もうひと頑張りしなくちゃ。
私たちが話している間に救出された二人の子供も目覚めたので、ひとまず現場は駆けつけた衛兵や鉱員たちに任せて、レイバンたちも一緒に水遊びをしていた場所へと戻る事にした。
ソフィアやマリーは馬車の中で待っていてくれたらしく、私の姿を見つけると2人とも走って駆けて来てくれたのだった。
「おかえりなさい!」
「お嬢様、皆様、ご無事で何よりでございます~~!!」
「ソフィア、マリー、ただいま!」
2人の顔を見ると、本当にホッとしてじんわりと目尻に涙が浮かんでしまう。
さっきまでの緊張した状況が嘘のよう……連れて来た子供たちについて説明しながら、馬車の中は若干ぎゅうぎゅうで速度も遅くなったけれど、日が暮れる前には王城に戻る事が出来たので、ホッと胸を撫でおろしたのだった。
~・~・~・~・~
次から王太子Side(二話)に入ります~~^^
まだまだ波瀾万丈なドルレアン国編が続きますが一旦小休止です!
よろしくお願いいたします<(_ _)>