【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「よお、さっき威勢のいい事を言ってくれた兄ちゃんじゃねぇか。オレと対戦なんて運がねぇな」
「それはどうかな」
「強気な態度だけは褒めてやるよ。怪我をしない内にやめとけと言いたいところだが……」
「あいにく、棄権という文字は私の辞書にはないんだ。諦めてくれ」
私の全く引かない態度に大男がわなわなと戦慄き、またしても殺気を放ってくる。
「後悔しても遅いぞ……!!」
「後悔などした事はない」
私の人生で後悔したのは1つだけ、オリビアに対してだけだ。
彼女に対して以外で後悔する事などあり得ない。
そのオリビアの美しい声が、ギャラリーの中から聞こえてくる。
「ヴィル――――!!頑張って――!!!」
女神の声が聞こえる。
彼女の怒声も最高だが、これもまた最高だ……よし、一瞬でキメる。
レフェリーが私と大男の手を組ませ、始まりの合図と共に勝負が開始され――――勝負は私の勝利で呆気なく決まる。
赤子の手を捻るような、瞬殺だった。
「フッ、他愛もない」
「ぐっ……くそぉぉぉおお!!」
私が負けるなど(ゼフ以外に)あってはならないからな。
日々の鍛錬が実を結んでいるという事か。
そんな事を考えていると、後ろから先ほど対戦した大男がドシドシとやってきて、目の前に膝をついた。