【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「な、なんだ?」
「ア、アニキィィィ!!アニキと呼ばせてくだせぇ!!!」
「なに?!」
突然の展開に驚き固まっていると、後ろからゼフに肩をポンとされて哀れまれてしまう。
何が起こっているんだ…………男にモテたいという願望はない……!
結局その大男は私とゼフの決勝戦が終わったあともくっついてくるので、優勝したゼフに全て任せて何とかかわす事が出来たのだった。
ゼフにはその他にも大会に参加した鉱員たちと色々話してきてくれと伝えている。
この大会に参加した者の多くが炭鉱で働く者で、ドルレアン国でこれほどまでに石炭の採掘が盛んであったとは思ってもいなかった。
父上は、このきな臭い動きを嗅ぎつけていたのか?
だから私に色々見て回ってこいと言ったのだろうかと思ってしまう。
「この国には炭鉱夫が沢山いるようではないですか、レジェク殿下。我が国としても実に興味深い。ぜひ現場を見る機会を設けていただきたいのですが」
「なに?」
やはりレジェクからはいい返事は返ってこない。
追い打ちをかけるようにオリビアからも圧がかけられ、明らかに動揺している状況だった。
我が国と石炭の取引がないにも関わらず、採掘された石炭はどこへ運ばれているのだ?
国王が神と同等とされるこの国では、王太子の立場すらあまり役に立たないように見える。
翌日の炭鉱見学は思いの外スムーズに進み、特に怪しい状況もなく終わった。
子供が働かされている状況を見ずに済み、ホッとする気持ちの反面、ここまで何もないと気持ち悪さもある……しかしその夜、マリアからビシエラ山についての調査報告を受け、私の杞憂は見事に吹き飛ばされてしまったのだった。