【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
ダメだ……そんな事をしてしまったら、もう可能性すらなくなってしまう。
いくら日頃から肉体を鍛えていたとしても、こういった時にどうする事も出来ない事があるという事実に、絶望感が襲ってくる。
そんな私の耳に、マリアの声が聞こえてきた。
「まだダメよ。中に……生命反応がある。まだ生きてる人がいるわ!」
マリアが聖力を使い、なんとかガスを抑えてくれたので、坑道へ救助に入る事が出来るようになる。
私も行きたかったが、自分の立場を考えるとそのような事をしていいわけはなく、ニコライに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらイザベル嬢を見送るしかなかった。
「あまり奥には行かないでくれ。少しでも危ないと感じたらすぐに戻るように」
「承知いたしました」
イザベル嬢は日ごろから訓練を受けているから、危機察知能力が高いと思いたい。
二人の仲がどうなっているかは分からないが、きっとこの事実を知ったらニコライが烈火のごとく怒るだろうな…………覚悟しなくては。
彼女が戻ってくるまでの間、私たちは手当など自分が出来る事をする事で落ち着かない気持ちを誤魔化す。
やがて坑道から戻ってきた救助隊が、3人の子供を抱えてきたのを確認し、私はこの子たちが我が国の子供たちだと確信した。
そうであってほしいという願望だったかもしれない。
「こんな海の向こうの国に連れて来られて逃げ場もない。どうせ生き延びてもまた違う現場に放られ、死ぬまで働くだけなんだから死んだほうがマシなのに……!!」