【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
私がポツリと呟くようにヴィルに尋ねると、目の前の国王夫妻の表情が一変したのだった。
そういう事……ハミルトン王国から援助を受けつつ、影ではレジストリック王国にすり寄り、密かに密な関係を築き始めていたというわけ。
石炭についてはハミルトン王国は全くの蚊帳の外。
こんな事をヴィルのお父様である国王陛下の耳に入ったら、とてつもなくマズい状況になるのではないかしら。
「まぁ、この事はすでに調査済みで、父上の耳に入っておりますがね」
「なんだと?!」
「ヴィルヘルム……なんと恩知らずな……!!」
国王陛下と王妃殿下は驚きと怒りで立ち上がり、ヴィルに対して怒りをぶちまけようとしていた。
そこへ突然ノック音が響き渡る。
――――ゴンゴンッ――――
少し大きめなノック音なので皆が止まり、扉の方へ振り返ると、「失礼します」という声とともに扉が開かれた。
私は声を聞いた瞬間、誰が入ってくるのか分かり、ヴィルの方へ振り向く。
「まさか――――」
「ああ、相変わらずタイミング抜群だな、ニコライ」
「我が国の王太子殿下がとてもお世話になっていらっしゃるので、お土産を片手に馳せ参じました」
ニコライ様はニコニコしながら歩いてきて、国王陛下の下へ行き、膝をついてその手に持っていた手紙のようなものを差し出したのだった。