【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
一応女性として乙女心を教えつつ、気を取り直してレジェク殿下に先ほどの伝承について伺う事にした。
聖女に関してはどうやら北の国に古い文献が残されているのだとか。
聖ジェノヴァ教会もそこから召喚の術を研究したのかしら……デラフィネも北の地域に咲く花。
いずれ訪れてみたいなと思ってしまう。
私は、マリアをどうにかして戻してあげたいなという気持ちが強くて、諦められずにいる。
本人はもうこだわっていないとは言うけれど……ご両親だって心配しているに違いないもの。
私は命が尽きてこの世界に来た人間だけど、マリアは違う。
本来なら日本で生きる人生があったはずなのに、無理矢理連れて来られたのだから……帰れる場所があるのなら帰してあげたい。
そう思うのに、当の本人は「へー、でも北の国まで行くのはちょっと面倒くさいかも。寒いの苦手」とあっけらかんとしている。
そこまで帰りたいわけじゃない……とは思えないけれど、今度じっくり話をしてみよう。
「そうだ、イザベルとニコライ様も建国祭に出るんだし、マリアも出ましょうよ」
「私?!でもドレスとか持ってきてないし無理だよ~」
「私の予備とかなかったかしら」
「それなら、私がご用意します」
そう言ってくれたのはレジェク殿下で、マリアの方へ歩み寄り、彼女の手を取った。
「私にはパートナーがいませんのでマリアがパートナーになっていただけませんか?」
「いいけど……本当にいないの?」
「はい」
「仕方ないな~~ドレスは可愛いのでお願いね」
「承知いたしました」