【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
レジェク殿下はニコニコしながらマリアの要求を聞き入れている。
可愛いところあるじゃない。
「明日は朝が早いし、夜は早めに寝ましょうか」
皆が頷き、その日はゆっくりした後、早めの就寝となったのだった。
ソフィアを横に寝かせ、彼女が眠った事を確認し、私も布団に潜り込む…………その日は気が張って疲れていた事もあって、すぐに眠りに落ちていった。
もうすぐハミルトン王国に帰る事が出来る。
この国に来る前は何が起きるのやらと思っていたけれど、色々な事実が明らかになり、国としても大きな収穫があったと思う。
充実感に包まれて、いつもより心地よい眠りを貪っていた。
その時、不意にギシッという音がしてハッと目が覚める。
隣にはソフィアがスヤスヤと寝息を立てて眠って……いない?なぜ?!
咄嗟に動こうとするも何か違和感を感じ、首にヒヤリとした感覚がある事に気付く。
本能的に動いてはいけないと警鐘が鳴っている気がする。
出来る限り体を動かさずに視線だけを上に動かしていくと、枕元にいたのは驚くべき人物だった。
「…………ラス……」
「動かないでくださいね。血が吹き出ちゃいますから」
天使のような笑みで恐ろしい事を言ってくる。
私の首にある冷たい感覚……それは彼が小剣を突き立てていたのだ。
月明りに照らされ、ラスのふわふわとした髪が光り、異様な光景に見えた。
そして片腕には眠っているソフィアが抱かれている。