凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「ねえ、伯父様、もう少しお姉様を着飾らせた方が良かったんじゃない? これじゃあ、私の引き立て役として連れてこられたってみんな思ってしまうわ」
「実際そうなのだから仕方がないだろ」
ディベルが半笑いで答えると、アメリアは「そうかもしれないけど」と笑みを深めて、伯父の横に腰掛けた。
馬車が動き出すと同時にアメリアは母と伯母に手を振り、門を出た後はその手を自分の胸の上に重く。
「王妃様の誕生日パーティーですもの、他の貴族のご子息たちもたくさん出席なさるわよね?」
そわそわとした様子でアメリアが問いかけると、ディべルはこくりと頷いて答えた。
「ああ、もちろん呼ばれている」
「じゃあ、カルロス様もきっといらっしゃるわね! 私が虹の乙女として町で人々の治癒を始めておこなった時、お見かけしたの。凛々しくて素敵だったわ。ようやく彼に会えるのね。ねえ伯父様、私をダンスに誘ってくれるように、カルロス様にお願いしてちょうだい」
名指ししたことから、アメリアがカルロスという男性を好んでいるのは伝わってくるが、他人と接することなく生きているルーリアにはそれがどのような男性なのか想像すら難しい。