凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
もちろんそれはすべてルーリアのもので、その頃になってようやくルーリアは、カルロスのではなく自分のための買い物なのだと気付かされた。
店の外へ出ると、カルロスは顎に手を当てて「他に何が必要だろうか」と呟きながら歩き出す。他の店へと向かうような足取りのカルロスの元へルーリアは小走りで近寄る。
「カルロス様、私はもう十分です」
訴えかけたが、カルロスは肩越しに不満の眼差しを返すだけで、その足を止めようとはいしない。すると、小さな荷物をいくつか持って後ろに控えていたエリンが提案を投げつけてきた。
「腕を組むなどして、もう少し寄り添って歩かれたらいかがですか? 町はカルロス坊ちゃんが結婚したという話題で持ちきりですよ。みなさんも、おふたりの仲睦まじい姿を見たいと思います」
足を止めたカルロスと目を真ん丸にさせたルーリアがふたり揃って振り返れば、エリンは「夫婦なのですから」と当然のようににっこり笑った。
(カルロス様と腕を組む)
ルーリアはカルロスの腕をじっと見つめたのち、視線をゆっくりのぼらせる。すると彼と目が合い、その瞬間、一気に頬が熱くなった。
真っ赤な顔のルーリアと見つめあう気恥ずかしさから逃げるようにカルロスは顔を背けたものの、周りには自分たちを興味津々で見つめている人々ばかりで天を仰ぐ。
「……少し休憩しようか」