凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
少しでも役に立てるかもしれないことを見つけられた気持ちになり、そしてカルロスからの頼み事が嬉しくて、ルーリアは明るく「はい」と言葉を返した。
「たくさん生成できるって言ったけど、魔法薬なんて一度にそんなに作れるようなものでもないだろう。一日かけて、三つってところか?」
「生成し始めた頃はそれくらいでしたけど、慣れてきてからは二十本近く生成していました。もう少し多くを求められたことも何回かありましたけど」
記憶を掘り返しつつルーリアが答えると、カルロスがほんの数秒眉根を寄せる。そして、冷ややかな声音でさらに質問を重ねる。
「へえー、すごいな。……作ったものは両親が管理を?」
「いいえ、私は両親と共に暮らしていませんでしたので、すべて伯父夫婦が」
「ということは、伯父夫婦の屋敷で生活していたのか?」
聞かれるままに答えていたルーリアだったが、伝えるべきかどうか迷いが生まれてしまい口をとじた。しかし、カルロスにはどれだけ惨めだろうと自分のことを知ってもらいたくて、顔を強張らせながらもしっかりと答えた。
「それもちょっと違います。伯父夫婦に面倒を見てもらっていましたが、私が生活していたのは……裏庭にある小屋です」
カルロスは手で頭を押さえて、苛立ち混じりにため息をついた。
「そんなところに閉じ込められていたのか。あの時追いかけて、ルーリアがどこの誰かを把握しておくべきだった。そうしたら置かれている状況に気付けただろうし、もっと早く連れ出すこともできたはずだ」