凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
騎士団員は受け取った小瓶を確認すると同時に、目を丸くし、興奮気味にカルロスへと向かっていく。
「……こっ、これ、どこの誰から手に入れたのですか? 最高級品と言っても過言ではないですよ。初めて見ました」
「後で教えてやるから、早く行け」
カルロスに軽く嗜められ、傷を負った仲間が待っていることを思い出した騎士団員は、「そうでした。行ってきます」と後ろ髪を引かれるような様子でふたりの元を去っていく。
同時にカルロスも門扉に向かって足早に歩き出し、横に並んだエリオットへと話しかけた。
「バスカイル家の魔法薬、確認させてもらっても良いですか?」
「ああ構わない。それにしても、ずっと高品質を保ってきたバスカイル家が、こんなこと初めてだな……何か心当たりはあるか?」
エリオットは不思議そうに呟いた後、探るような眼差しをカルロスに向ける。カルロスは軽く肩を竦めてから再び口を開いた。
「俺が渡した回復薬、見ました?」
「ああ。すごい調合師を見つけたようだな。どこの誰だ」
「今俺の屋敷にいますよ。ルーリアです」
「さすがバスカイル家の人間だな」