凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

 カルロスからの非難にもエリオットは笑みを浮かべ、言葉を返した。

「いやだってさ、食事の席を設けろと繰り返し言っているのに無視するから、俺から会いに行ってしまったよ。それで魔法薬を見せてもらって、あまりにも素晴らしいから、その場で取引を持ちかけたんだ。代金を払いに、また屋敷を訪ねさせてもらうよ」
「わざわざ足を運ばなくても。代金なら俺を通して払ってもらって構いません」
「足くらい運ぶさ。俺はこれからも彼女に依頼するつもりだからね。ああそうだ、支払いの額で希望があれば今聞いておこう」

 依頼するつもりだなんて聞いてないとばかりに眉根を寄せたカルロスになどお構いなしに、エリオットはルーリアへ問いかける。
 ルーリアは一気に困り顔になった後、申し訳なさそうに希望を口にする。

「あ、あの。使わせていただいた薬草の代金と、魔法薬の瓶代だけいただければそれで結構ですので」

 材料だけは屋敷にあるものを使わせてもらうしかなく、その分を補充するための金額をもらえたらとルーリアは考えたのだ。恐る恐る表情をうかがうと、みんな唖然とした表情を浮かべていたため、ルーリアは顔色を変える。

「すみません。厚かましいお願いをしてしまいました」
「ルーリア、違う。誰もそんなこと思ってない」

 カルロスに否定され、ルーリアは再び人々を見回す。カルロスとエリンは苦笑いをしていて、エリオットは動揺した様子に変わり、ケントはカルロスに同意するようにコクコクと頷いている。

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