凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
言いながら、思わずルーリアは頬を赤らめた。振り返ったカルロスも妻という言葉に反応し動きを止める。動揺するようにルーリアから顔を逸らすが、すぐに視線を戻し、少しばかりたどたどしく言葉を紡ぐ。
「俺のそばを離れないこと、くらいか。何かあれば手助けする、夫として」
「……は、はい。わかりました」
ルーリアも「夫として」と返されたことに、さらに顔を赤くする。
目を合わせては、気恥ずかしさからお互い視線を逸らすのを二、三度繰り返してから、ルーリアは「楽しみにしています」と小さく呟いたのだった。
そして半月後、屋敷の居間で、準備を整え終えた貴族服姿のカルロスが、御者を買って出てくれたレイモンドと話をしていると、そこへエリンに連れられてルーリアがやって来た。
「カルロス様、お待たせしました」
「……あ、いや。そんなに待っていない」
向かい合って早々に謝ると、カルロスからポツポツと言葉が返ってくるが、その間もじっと見つめてくるため、ルーリアはどこかおかしいだろうかと自分の身なりを気にし出す。
ドレスは前にカルロスに買ってもらった薄紫色の、レースがふんだんに使われている可愛らしいものだ。髪もリボンを編み込みながら可憐に結ってもらい、薄くはあるが化粧もちゃんと施している。そしてしっかりとカルロスからもらったネックレスもつけている。