凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「迷子にはさせない。俺がルーリアから目を離さないから……気になるんだ、男共からの視線が」
言われてルーリアは周囲を見まわし、女性だけでなく男性までもこちらを見ていることに気が付いた。
「男女問わず、カルロス様は人気ですね。わかります。とってもお優しくて、とっても強くて、とっても素敵で、とっても……」
ぽつりぽつりと称賛の言葉を並べるルーリアにカルロスは一瞬動きを止めるが、まだまだ続きそうな予感を覚え、慌てて言葉を遮った。
「ちっ、違う。ちゃんと見てみろ。男どもが見ているのは俺じゃなくてルーリアの方だ」
改めて周りを見渡せば、確かに男性数人としっかり目が合ってしまい、素直な疑問がルーリアの口をつく。
「……どうして私を?」
「可愛らしくて、魅力的だからだろ」
「えええっ!?」
思わず大きな声を上げてしまい、すぐさまルーリアは両手で口を塞ぐと、カルロスがふっと表情を和らげた。
「そんな声も出るんだな」
口を抑えたまま気恥ずかしくて頬を赤らめたルーリアへと、再びカルロスは己の腕を差し出す。
「だから、手を添えて欲しい。ルーリアをじろじろ見る眼差しが妙に腹立たしい。俺の妻だと周りに牽制したいんだ」
「……わっ、わかりました。失礼します」