凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
王妃の元に辿り着くと、ふたり揃って丁寧にお辞儀をし、カルロスの凛とした声が響く。
「王妃様、お招きくださりありがとうございます」
「カルロス、こちらこそ感謝するわ。ありがとう! ルーリアさんにも会えて嬉しいわ。先日よりも顔色が良くて、カルロスに大切にされているようね」
「はい。カルロス様にはとても良くしてもらっています」
笑顔でかけられた王妃からの言葉に、ルーリアは少しだけ口元を綻ばせて答える。すると、王妃はルーリアに近づいてそっと手を掴み取り、小声で話を続けた。
「何度もジェナと一緒にお茶会に参加して欲しいと打診したのよ。妹の方は来るのに、あなたは体調が優れないからと姿を見せてくれなくて。ジェナに詳しく聞こうとしてもクロエラ婦人が話に割り込んできて、関係ないことをのらりくらりと話出すし」
「誘って下さっていたのに、申し訳ございませんでした」
誘ってくれていたことすら知らないとはさすがに言えず、ルーリアが頭を下げると、王妃は優しく微笑んでゆるりと首を横に振る。
「貴方を責めている訳じゃないの。今のはただの愚痴よ。今回も婦人はいらしているけど、必死になって商売の話を持ちかけるものだから、嫌がる方もぽつぽついて……交流の場となればと思ってパーティーを開いているけれど、度が過ぎるのは問題ね」
王妃の視線を辿るとすぐにクロエラの姿を見つける。彼女は王妃の言葉通り、貴族男性の腕をしっかりと掴んだ状態で、あれこれ熱く話しかけている。