凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
ルーリアが王妃に感謝の言葉を述べた後、この場を辞するように、カルロスと共とに丁寧にお辞儀をした。
王妃の元を離れながら「何か飲むか?」とカルロスに問われ、ルーリアは庭の隅に設置されてあるテーブルの方へと目を向ける。
「はい、いただけるなら……あっ」
テーブルからその向こうに見える城を何気なく見上げ、思わずルーリアは声を発する。
「どうした?」
「あの窓に見覚えがあるような気がして。もしかして、カルロス様に助けていただいた場所でしょうか」
王妃の誕生日パーティーで、アメリアが母のネックレスを投げ捨てた窓に似ているように思え、少し前のめり気味にルーリアはカルロスに訪ねた。
「助けた……ああ、ルーリアが落ちそうになっていたのはあの窓だ」
「あの窓の下に行きたいのですがよろしいですか? 実はあそこから母のネックレスを落とされてしまって。探したら見つかるかもしれないし」
「誰に落とされた?」
鋭く問われてルーリアが言い辛そうに黙り込むと、カルロスが肩を竦めた。
「すまない、聞くまでもないな。あの場所にはルーリアの他にもうひとりしかいなかった」
「ルーリアお姉様!」