凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「……大丈夫ですか?」
ルーリアがあまりにもじっと見つめていたからか、彼が少しばかり顔を強張らせながら問いかけてくる。
そこでルーリアは慌てて頷いて、彼から視線を逸らしたが、むくむくと湧き上がってくる懐かしさと嬉しさで胸が熱くなるのを我慢できず、盗み見るかのように再び彼を見上げた。
(本当に彼なの?)
似ていると感じても確信は持てず、それならば本人かどうかを確認しようと考えるものの、話を切り出す勇気が出ない。
(もし本人だとしたら、私のこと覚えてくれていたり……しないわよね)
相手の反応に期待を寄せてみるが、ルーリアを見下ろす彼は無表情に近く、そこから何の感情も読み取れない。
「ルーリア!」
場に割り込むかのようにアズターの声が響き、ルーリアがハッと息をのむと同時に、やや手荒に腕を引っ張られ、男性から引き離される。
「娘がなにか迷惑をおかけしたようですね。失礼しました」
大急ぎで戻ってきたのか、ルーリアの腕を掴んでいるアズターの息が弾んでいる。