凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

「多くの精霊は闇の力で堕とされて、あいつらの手下として動かされている。そして、我々の祝福の力を逆手にとり、精霊の命を削り取って利用することで魔力を強めている」

 不意に、ルイスが鎖と発言したことを思い出し、ルーリアは声を震わせながら確認する。

「もしかして……鎖に繋がれた女性の精霊がそういった扱いを受けているということなのでしょうか。その精霊はあなたによく似た姿をしていました」

 何かがつながりそうな予感を覚えながら、ルーリアとカルロスが注目した先で、ヴァイオレットがとても悲しそうに笑った。

「見たのね。似ているなら間違いないわ。私があなたに祝福を授けたすぐ後に、一緒にいた双子の姉のエメラルドが奴らに捕まってしまったの。目立たないようにしていたけど、私たちふたりでこの街によく来ているのを奴らは知っていて狙われたのよ……ルーリアに祝福を授けた黒精霊はエメラルドで間違いない」

 ヴァイオレットが顔を伏せると、セレットがそっと歩み寄り、ヴァイオレットを励ますように肩に手を乗せた。

「エメラルドからの祝福は、人間側の意思で行われています」
「どうしてそんなことを」
「私の力を厄介だと思っているから、その力を得たルーリアさんに脅威を覚えたのでしょう。力を発揮するようならいつでも殺せるように目印として授けたのだと私は思っています」

 自分には闇の素質があるのだと思い、それを恥とすら思っていたルーリアは、ヴァイオレットの見解に言葉を失う。

「あなた方からの祝福を破棄することはできますか。俺はルーリアの中に植え付けられた闇の魔力を取り除きたい」
「……できます。祝福を授けたその倍の寿命を削ることになりますが、授けた精霊本人なら可能です。後は、その精霊の命が消えれば自然と解けます」

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