凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

 挑むように発した質問に、ステイクからの固い声音での返答を聞き、カルロスは不敵に笑ってみせた。

「なるほど、だったらまずは、あなたの姉君をギードリッヒから奪い取ろう」

 力強く感じられる宣言に、ヴァイオレットは感激したように目を潤ませ、セレットの手を掴んだ。ステイクも嬉しそうに口元を綻ばせる。

「ぜひそうしていただけると助かります。双子の魂の核は繋がっております。エメラルド様の魔力を酷使されることで、ヴァイオレット様も影響を受け、思うように力を使えない状態が続いております。最近は少し無理をすると倒れるほどです」
「確かに最近、闇の力を持つ者たちの動きが目立っているからな。ここで良ければ、用意してくれた菓子を食べて休んでいってくれ。他に必要なものがあれば、エリンに言ってくれ」

 エリンがヴァイオレットとステイクににこりと笑いかける一方で、カルロスは頭の中で作戦でも立てているかのように顎に手を添えて考え込む。

「そんな中、会いにきてくださったのですね。おかげで助かりました。ありがとうございます」

 ルーリアは感謝の気持ちを伝えるように、ヴァイオレットに頭を下げると、ヴァイオレットはハッとしたような顔をし、苦しげに顔を歪めた。

「姉が攫われてしまったのは、街に行きたいからって姉を付き合わせていた私の責任で、私の場合、祝福も勝手にしてはいけない決まりになっていたのに、破ってしまっていたから、私はあなたのことを言えなかったの」

 ヴァイオレットは身を包んでいたブランケットから出ると、ルーリアへと真剣に、それでいて苦しそうな面持ちで向き合った。

「しばらくして、唯一、打ち明けることができたのがセレットだった。セレットだけは諦めず姉を助け出そうとしてくれているから。でも罰を恐れず、ちゃんと言うべきだったのよ。そうすればあなたのこれまでの状況も変わっていたはずだわ。本当にごめんなさい」
「謝らないでください。ヴァイオレットさんが悪いわけじゃありません。悪いのは……」

< 200 / 229 >

この作品をシェア

pagetop