凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
ふたりの真後ろで足を止めた後、ディベルは冷たく言い放った。
「穢れ者となってしまった時は、後始末をよろしく頼むよ。その後、新しい嫁が欲しいなら、アメリアでもなんでも差し出そう」
ルーリアは思わずカルロスの腕をギュッと掴んだ。
(これまでたくさんの物をアメリアに奪われてきたけど、カルロス様だけは渡したくない)
穢れ者となるくらいならカルロスの手で楽にしてもらいたい。言い方は嫌でも、そこは受け止められるが、共に生きていく道を模索してくれているカルロスだけはどうしても渡したくないのだ。
心をちくちくと刺す嫉妬の痛みに顔を俯かせた時、カルロスの温かな手がルーリアの手に重なる。顔をあげれば、力強く笑いかけられ、ルーリアも自然と表情が和らいでいった。
カルロスは踵を返し、ディベルへと顔を向け、ルーリアに触れていた手を剣の柄へと移動させる。
「笑わせるな。お前らと縁などというもので繋がっているなら、今この場で断ち切ってやる。俺もルーリアも、お前らに何かしてやる義理はない」
はっきりとカルロスから拒否され、ディベルは顔色を変えて言い返す。
「ル、ルーリアを育ててやった。恩がある」
「……でも、私の生成した物に価値などないのではなかったのですか? 虹の乙女であるアメリアの足元にも及ばないと。アメリアが作った方が価値があるはず」