凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「これまでバスカイル家が売ってきた魔法薬には、私が作ったものがたくさんあります。皆さん、黙っていてごめんなさい」
ルーリアが頭を下げると、人々から怒りの声が飛び交い始めた。
「お前たちはそんな物を売りつけていたのか!」
「高かったから使えなくて取っておいてあるバスカイルの魔法薬があるわ。使って穢れ者になったら嫌だから返品したい!」
慌ててディベルが場を取りなそうとし、クロエラも引きつった笑みを浮かべて、周囲に話しかける。
「そんなことには決してなりませんので、安心してお使いください」
「この娘が言っていることはデタラメです。耳を傾けないでください」
しかし、すぐに別の場所から厳しい声がどんどん上がり始め、止められない。
「いや、事実だ! 俺はさっきガーデンパーティーに参加していたが、その女が闇の魔力で黒精霊をたくさん呼び寄せたようにしか見えなかった!」
「闇の魔力を使える人間が作ったものなんて信用できるわけないじゃない!」
「返品できるなら俺もぜひそうさせてもらいたい。最近買った物も効果が薄かった。あんな物、高額を払ってまで買う価値はない」
最後の発言は自分を否定するもので、アメリアは拳を握り締め、怒りで震え出す。
馬から降りて、少し遠巻きにその様子を見物していたエリオットが笑いを堪えながら感想を述べた。