凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

 楽しそうに口元を綻ばせているルイスへと、カルロスは「やれるもんならやってみろ」と呟き、素早い動きでルイスへと斬りかかっていく。
 ルイスも剣を抜いて応戦するが、やはりカルロスの鋭い太刀筋に押され気味となり、さらにエメラルドから魔力を得る。

「やめろ」

 カルロスの怒りの一撃がルイスの仮面を斬り落とし、その顔を顕にさせた。
 ちょうど同じくして、三人のうちひとりと鍔迫り合いをしていたエリオットが力で押し勝ち、地面へと倒れた男へと馬乗りとなり、仮面を奪い取る。

「ドルミオ・ギードリッヒ」

 ニヤリと笑って男の名を口にしてからから、エリオットはカルロスの方へと顔を向ける。

「そっちはルイス・ギードリッヒ。父に弟ときたら、残ったひとりは兄のトイロスだな。他の面子も近くにいるはずだ。探し出して捕えろ!」

 エリオットが声高に叫ぶと、捕らえられていたドルミオの目が漆黒に染まっていったのにカルロスは気付き、すぐさま剣を振るう。
 すると、エメラルドが繋がれていた鎖が地面に散らばり、その数秒後、エメラルド自身も力を失うように、地面へ落ちていった。

「お前!」

 ルイスは怒りに震えながらカルロスを睨みつける。カルロスはエメラルドと三人の間にある魔力の流れを断ち切ったのだ。そのため、黒精霊や穢れ者の動きも一気に鈍くなる。
 ルイスは怒りに任せてカルロスへと闇の魔力で襲いかかる。手のひらから放たれる髑髏や死神のような姿をした影がカルロスへ勢いよく向かっていくが、カルロスは冷静に見極め、見事な剣捌きで閃光を瞬かせながらそれを打ち破る。

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