凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「あなたたちに会えるのをとっても楽しみにしていたのよ。顔を上げてちょうだい」
そう求められ、アメリアは満面の笑みで堂々と、ルーリアはおどおどとしながらぎこちなく顔を上げ、「王妃様、お誕生日おめでとうございます」とほぼ同時に祝いの言葉を発した。
「……確か、ルーリアとアメリアだったわね。アメリアはアズターに、ルーリアはジェナに似ているわね。ジェナも変わりなく?」
「はい。この良き日に、妻に代わって王妃様に心からの祝福を」
「ふふふ。ありがとう。嬉しいわ」
(王妃様は、母のことを知っているの?)
ルーリアは王妃と父のやり取りを驚きの顔で見つめていると、それに気付いた王妃がルーリアと同じような表情を浮かべる。
「あら、もしかして知らなかったのかしら? ジェナと私は幼馴染なのよ」
「いやいや、もちろん知っていますとも! なあ、ルーリア」
「はっ、はい!」
アメリアの隣に立っているディベルから素早く言葉を挟まれ、察したルーリアは頷きながらそれに続く。ルーリアにとっては初めて聞く事柄だったが、どうやらバスカイル家では周知の事実らしい。