凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

「あなたたちに会えるのをとっても楽しみにしていたのよ。顔を上げてちょうだい」

 そう求められ、アメリアは満面の笑みで堂々と、ルーリアはおどおどとしながらぎこちなく顔を上げ、「王妃様、お誕生日おめでとうございます」とほぼ同時に祝いの言葉を発した。

「……確か、ルーリアとアメリアだったわね。アメリアはアズターに、ルーリアはジェナに似ているわね。ジェナも変わりなく?」
「はい。この良き日に、妻に代わって王妃様に心からの祝福を」
「ふふふ。ありがとう。嬉しいわ」

(王妃様は、母のことを知っているの?)

 ルーリアは王妃と父のやり取りを驚きの顔で見つめていると、それに気付いた王妃がルーリアと同じような表情を浮かべる。

「あら、もしかして知らなかったのかしら? ジェナと私は幼馴染なのよ」
「いやいや、もちろん知っていますとも! なあ、ルーリア」
「はっ、はい!」

 アメリアの隣に立っているディベルから素早く言葉を挟まれ、察したルーリアは頷きながらそれに続く。ルーリアにとっては初めて聞く事柄だったが、どうやらバスカイル家では周知の事実らしい。

< 25 / 229 >

この作品をシェア

pagetop