凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「バスカイル家の光の魔力は、他国にも誇るべき大きな力です。若いふたつの力が、トゥイルス国をより良い未来へと導いていくことを心より期待しています」
最後に贈られた言葉が心に深く染み入るのを感じながら、再びルーリアはアメリアに合わせる形で頭を下げ、「恐れ入ります」と言葉を返した。
四人はゆっくりと壇上を離れた。階段を降りて王妃から十分に距離をとったところで、アメリアがルーリアを睨みつける。
「なんだか納得できないわ。どうしてお姉様だけお茶会に誘っていただけたの?」
そう怒りをぶつけられても、ルーリアに王妃の心のうちはわからず、顔を強張らせるだけで何も言葉を返せない。
「……あれは、アメリアも含めた三人に対して掛けられた言葉であろう。まあどちらにせよ、ルーリアは参加することはないのだし、ジェナと共にアメリアが行くことになる」
そう信じて疑わない様子でディベルが呟き、続けて肩を竦めてみせた。
(そうよね。私はきっともう、屋敷から出ることはない)
わかっていたはずなのに虚しさを覚えたのは、また王妃様と会って話ができるかもとか、母親と一緒に初めての外出ができるかもなどと、少しばかり期待してしまったからだ。