凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「……お、お父様?」
「すまない。ジェナもその守護石のネックレスをつけている時、よく同じ仕草をしているから」
魔力を込めて様々な方法で利用するべく生み出された石を魔法石と呼ぶのに対し、元々魔力を宿しいている石のことを守護石と呼ぶ。
強大な魔力を秘めたものから微力なものまで守護石にも様々あり、今ルーリアが身につけているような弱い魔力のものは、お守り代わりとして身につけられることが多い。
「時々、お母様もこのネックレスをつけていらっしゃるの?」
「それはジェナが常に身に付けている物だ。俺たちはお前にドレスも靴も簡素な物しか用意できなかった。だからせめてこれだけでもとジェナがディベル兄さんに頼み込んだんだ」
全て伯父夫婦が用意した物だとばかり思っていたルーリアは、改めてネックレスの守護石に触れたあと、無感情のまま着ていたドレスにも視線を落とす。
(お父様とお母様が私のために)
必要以上に両親と接点を持たずに生きてきたルーリアは、両親にとって自分はいらない子なんだと思っていた。しかし、思いがけなく両親の優しさに触れ、嬉しくて心が震え、言葉が何も出てこない。