凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
 それ以上話を広げることができず、ルーリアがすぐに手を離そうとすると、まるで揶揄っているかのようにルイスががっちりと手を握り締めた。そして離れぬ手に戸惑うルーリアに微笑みかけながら、そのまま自分の元へと引き寄せる。

「ルーリアもなかなかに強い光の魔力を持っていそうだね……ん?」

 口元に笑みを浮かべながら、耳元で囁き掛けてきたルイスだったが、急に違和感を覚えたように眉を寄せたため、ルーリアはわずかに顔色を変える。

(もしかして気づかれてしまった?)

 髪飾りに施された伯父の光の魔力が結界となっているのだから大丈夫とそう頭でわかっていても、自分の中に巣食っている闇の魔力を察知されてしまったんじゃと焦りと恐怖が込み上げてくる。

「その髪飾りは……」
「触らないで!」

 呟きと共に彼が髪飾りに触れた感覚が伝わり、気がつけば、ルーリアは声を震わせてその手を振り払っていた。
 もちろんすぐにハッとし、ルーリアの顔から一気に血の気が引いていく。
 驚いた顔で自分を見つめているのはルイスだけではない。周りの貴族たちも同様だ。そして恐る恐るアメリアとディベルたちのいた方へと視線を移動させ、大きく息を飲んだ。
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