凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

「誕生日パーティー後、縁談の話が飛び交っているらしい。特に、お前を気に入っているようだったバスカイル家の妹、アメリア嬢の元にはたくさん舞い込んでいるようだぞ。もちろん、姉のルーリア嬢の方にも」

 エリオットが最後に彼女の名前をあえて付け加えたため、カルロスは眉根を寄せる。

(相手がどこの誰かまで、すでに把握済みということか)

 カルロスは大きくため息をついてから、諦めたようにエリオットに話しかける。

「確かに俺が子供の頃に探していた子は、ルーリア・バスカイルです。でも、探していたのはただ心配だったからで特別な感情があるわけじゃない……生きていてくれて、ほっとしました」

 カルロスはどこか遠くを見つめながら事実を打ち明け、再会した今の気持ちを静かに告げた。
 エリオットは弟を見るような優しい目でカルロスを見つめた後、カルロスの肩に腕を回した。仲睦まじそうなふたりの様子にどこかで女性の黄色い悲鳴が上がる。

「再会できて良かったな。ちなみに、彼女に縁談の話を持ちかけた相手は、パーティーにも参加していたルイス・ギードリッヒだ。でも大丈夫、きっとまだ間に合う。お前もすぐに縁談の話を持ちかけろ。これ以上遅れをとっちゃだめだぞ」
「俺の話、ちゃんと聞いてました?」

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