凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
先ほど出てきた小屋より何百倍も大きい伯父家族が暮らす屋敷の脇をぐるりと回って正面玄関前まで出ると、アズターとディベルが門の近くに停めてある馬車の隣で待っているのを見つける。
ルーリアは靴擦れの痛みを感じながら真っ直ぐそちらに向かい、揃ったところで四人は馬車に乗り込んだ。
ゆっくりと馬車が動き出してから、ルーリアは隣りに座っているアズターを無意識にちらりと見た。
(お父様、少しだけお痩せになったかしら)
そんな疑問が頭をよぎるが、自分と目すら合わせようとしない父に話しかける勇気は持てず視線を俯かせると、ルーリアの向かい側に腰掛けたクロエラが不快そうに口を開く。
「ルーリア、あなたは体が弱くて、今日まで引きこもっていた。余計なことを喋らないように。わかっているわね?」
「はい」
クロエラから念を押されて、ルーリアが顔をあげて小さく返事をすると、今度はクロエラの隣りで仏頂面のまま腕組みをしていたディベルがアズターに命じた。