凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜

「カルロス坊ちゃんが伴侶に選んだお方を悪く言うのはやめなさい。ようやく愛し愛せる相手を得て、結婚する気持ちになったのだから、俺たちはカルロス坊ちゃんの幸せを喜ばなければ」
「そうね。口が過ぎました。申し訳ありません」

 エリンは自分の発言を反省し心から謝罪するが、当のカルロスは気にしている様子など全くなく、肩を竦めて言い放つ。

「構わない。俺もアメリア・バスカイルは鬱陶しいと思っているから、むしろ同意見」
「……それならどうして嫁に?」
「俺の相手は妹ではなく、姉のルーリアだ」
「姉、ですか?」

 アメリアを連れ帰ってきていると思い込んでいるエリンに対し、カルロスは訂正を入れる。すると、エリンは目立って表に出てこなかったルーリアの存在を知らなかったようで目を大きく見開いてみせた。

「それとこの結婚に幸せなど望んでいないし、愛なんてものも生まれない。互いの利害関係が一致したから婚姻を結んだまでだ。同居人が一人増えただけだと思ってくれて良い。それと、そう遠くないうちに、彼女のことでいろいろと手を借りることになると思う。一応覚悟しておいてくれ」

 続けてカルロスから発せられた爆弾発言に、なんだか思っていたのと話が違うぞといった様子でエリンとレイモンドは顔を見合わせた。

「とりあえず、お仕事に行かれる前に必ず私たちに花嫁様を紹介してくださいね。お願いしますよ」

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