パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~



「ご主人、ナイスタイミング。子宮口全開よ」
「え?」
 いきなり言われた言葉に、恭弥さんは驚いて動きが止まっていたが、すぐに「お願いします」と頭を下げた。

 出産は確かに絶対に安全ということはない。母子ともに危険がないとも言えない。

 私は二回目だが、恭弥さんは初めての経験だ。
 緊張するに決まっている。

「弥生は?」
「そろそろ可能性もあるし、長くいられるから今日はお義母さんにお願いしてきた」
「そっか」

 そう答えている間にも陣痛の感覚は短くなり、叫び声をあげたくなる。

 脂汗が額に滲み始めた。それでも、私は恭弥さんと弥生、そしていつもたくさん助けてくれている私たちの両親のためにも、元気な子を産まなければ。

 そう思い立ち上がる。

「咲良、歩けるのか? 抱いていこうか?」
「恭弥さん」
 抱いていこうか、そう言った彼に、先生はポカンとしたあと笑い出した。

「たくさんの夫婦みてるけど、抱いていこうかって言った人は初めて見たわ」
 まだ笑い続ける先生に、私たちは恥ずかしくなってしまう。

「歩くと陣痛が促進されるの。だから大丈夫」
そう言って笑って見せたのだが、分娩室に入った私は、たぶんいろいろ叫び声をあげて、恭弥さんを心配させたようだ。

 痛みで訳が分からなくなっていた私だったが、生まれてきた息子の元気な泣き声が聞こえて、大きく息を吐いた。
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