イケメン妻はお飾りの年下夫の愛に囚われる
「用はそれだけですか?」
「え、あ、ええ、呼び止めてごめんなさい」
「いいえ。それでは、ゆっくりお休みください。また明日」
ラファエルが扉の向こうに消え、パタンと閉まる。
「はあ〜、私ってこんなに意気地なしだったの…」
聞きたいことをはっきり切り出せなかった己の不甲斐なさに、自己嫌悪に陥る。
結婚して一年半。
初夜から今日まで、騎士団での勤めと家長としての勤めで忙しいアニエスと夫のラファエルとは、彼女の騎士団での仕事が休みの前の日、週一回の営みを続けてきた。
普段は別々の寝室を使い、その時だけラファエルが彼女の部屋を訪れる。そして彼は彼女の中に一度だけ精を放ち、自分の寝室に引き上げる。
まるで仕事のような夫婦の営み。
しかし、時折休日返上で働くこともあり、それすらも出来ない日もあった。
子供をつくるためだけの行為。
それが世の中の夫婦の生活だと、アニエスは思っていたのだが、それが勘違いであったことを彼女はつい最近知った。
「え、あ、ええ、呼び止めてごめんなさい」
「いいえ。それでは、ゆっくりお休みください。また明日」
ラファエルが扉の向こうに消え、パタンと閉まる。
「はあ〜、私ってこんなに意気地なしだったの…」
聞きたいことをはっきり切り出せなかった己の不甲斐なさに、自己嫌悪に陥る。
結婚して一年半。
初夜から今日まで、騎士団での勤めと家長としての勤めで忙しいアニエスと夫のラファエルとは、彼女の騎士団での仕事が休みの前の日、週一回の営みを続けてきた。
普段は別々の寝室を使い、その時だけラファエルが彼女の部屋を訪れる。そして彼は彼女の中に一度だけ精を放ち、自分の寝室に引き上げる。
まるで仕事のような夫婦の営み。
しかし、時折休日返上で働くこともあり、それすらも出来ない日もあった。
子供をつくるためだけの行為。
それが世の中の夫婦の生活だと、アニエスは思っていたのだが、それが勘違いであったことを彼女はつい最近知った。