イケメン妻はお飾りの年下夫の愛に囚われる
「カーラ、どうしたの? 首筋に赤い痕が…何かに刺された?」 

 更衣室で着替えている時、最近結婚したばかりの女性騎士の首筋に、赤い虫刺されのようなものを見つけ、どうしたのかと尋ねた。
 
「え? あ、こ、これは」

 彼女はアニエスに指摘され、真っ赤になって慌ててその部分を髪で隠した。

「ベルフ卿、新婚の彼女にそんなこと聞くなんて、野暮ですよ」

「そうです。私達だって気づいていたけど、黙っていたのに」

 同じ部屋にいた他の女性たちが、アニエスに注意する。

 何か聞いてはいけないことを聞いてしまったようだ。

「申し訳ない」

「いえ。その、これは昨夜夫と…少し盛り上がってしまって…いつもは見えない所に…わ、私ったら…」

 カーラは更に赤くなり、周りが微笑ましい目でそれを見る。独身の者は「うらやましい」だの、既婚者は「うちもそうだった」「懐かしい」とか、色々感想を呟いている。

「夫君と喧嘩でもしたの?」

「夜の夫婦生活のことですよ」

 キョトンとするアニエスに、他の者たちが付け加える。

「夜の…」

 ようやく合点がいき、アニエスも仄かに頬を染める。
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