海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
「っは、なんだよそれ・・・くそ、優香のやつ・・・何で言わねえんだよ、あのバカ女っ・・・許さねぇ」
なんて言いながら、気まずそうに私に近寄ってきた凪砂を見て、次は私の番だと思い、そっとバックから母子手帳を取り出す。
「嘘つきついでに、私も一つ謝らなきゃいけないことがあるんだ・・・」
凪砂の手に母子手帳を握らせて、表紙の【赤ちゃんの名前】っと言うところを指さす。
「─…瀬凪《せな》。【⠀浅瀬《あさせ》が凪《 なぎ》る⠀】って書いて瀬凪。」
瀬凪の名前を見た凪砂の目が大きく開かれる。
「海がどこまでも浅瀬で、ずーっと凪いだような海なら、凪砂は迷わずに私と瀬凪の元に帰ってこられる、、なんて思って名付けたんだけど、どうかな?ちょっと読みずらい?」
名前の由来まで教えてあげたのに、未だ口を開かない凪砂に、遂に確信をつくことを告げる。
「実の父親として、どう思う?っまあ・・・今更変更なんて出来ないけどねっ」
そう言って笑う私に凪砂は悲痛な表情を浮かべる。