海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜


「え・・・何で凪砂が泣きそうになってるの?!振られたのは私なんだけど?」


少しでも雰囲気を変えたくて、明るくそういった私に、


「あぁ・・・そうだな。今更友達で居てくれなんて、虫が良すぎるよな」


凪砂は諦めたようにそう言うと、寂しそうに少しだけ笑った。


「じゃあな、萩花・・・気をつけて帰れよ」


凪砂は私の頭にポンっと手を乗せると、そのまま私のロングヘアを指でなぞるように触れた。スルリと、凪砂の指が髪から離れた瞬間、凪砂は私に背を向けていつものように歩いていってしまう。


凪砂の背中を私は今まで何度も見てきた。でも過去一度だって振り返ってくれたことは無かった。



(─…このままでいいの?)


私は凪砂に伝えたい思いを何一つ言えないまま、このまま二度と凪砂に会えなくなってしまってもいいの?



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