海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜



復帰した職場は、私のことを優しく受け入れてくれて、とても働きやすい環境だった。



とはいえ、保育園に入ったばかりの瀬凪は、よく病気をもらってきて、熱を出すことが多く・・・復帰して直ぐに休むこともざらだった。



それでも、周りに助けられ美容師として仕事を続けられている私はとても幸せな人間だと思う。



「萩花〜・・・お前そろそろ迎えの時間だろ。今の客終わったら帰れよ」



吉岡が私のシフトを調節してくれるおかげで、瀬凪のお迎えにはいつも余裕をもって行くことが出来た。




これもこういう専門職ならではの特権だろうと思う。普通育休明けで職場復帰なんて、いい顔されないことも多いだろうから・・・


自分の恵まれた環境を噛み締めながら、瀬凪を預けている保育園に向かう。


この保育園を選んだのは、自宅から近いという理由以外に、実はもう1つ理由があった。




「あ、美優《みゆう》ちゃん!!今日もありがとうっ!瀬凪、元気にしてた?泣いて困らせてない?」

「萩花さ〜んっ!お仕事お疲れ様ですっ!瀬凪くん全然泣かないですよ〜いい子すぎます!それより毎日、洋《よう》ちゃんが瀬凪くんの様子どうだったか聞いてくるのがウザイです〜・・・」




そう、何を隠そう・・・彼女、田崎《たさき》 美優《みゆう》ちゃんは・・・洋平の彼女さんだったりする。


あれだけ私に尽くしているように見えた洋平だけど、実はずいぶん付き合いの長い彼女がいた。


彼女のことは私も知っていたから、妊娠が洋平にバレてサポートをしてくれるようになってから、美優ちゃんにだけは妊娠のことを話してあった。


洋平の影で、何かと私を支えてくれた彼女には、本当に頭が上がらない。



っと言いつつ、生まれてからも彼女に甘えてしまうのは、彼女の人柄の良さがそうさせるのだろうと思った。




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