海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
フェリー出港日当日
「洋平、送ってくれてありがとう!行ってくるね〜!」
フェリー乗り場まで送ってくれた洋平に、手を振って別れる。
「おう、気をつけてな・・・ご両親に宜しく!」
出港時間が夜だった為、洋平の顔が暗くてよく見えなかったけど、浮かない表情をしていたのが何だか少し気がかりだった。
フェリーに乗り込み、案内された部屋に荷物を置いて、既に眠っている瀬凪をベッドに寝かせてから、私も一緒に横になった。
─…明日のお昼には着く
ジッとこのまま眠って、朝起きてご飯を食べて・・・少し上で潮風を浴びたりして過ごせば、すぐに徳島に着くよね、、
優香の事故が起きて以来、海の上に来たことは一度もなかった。
こんな大きな船が沈むなんて有り得ないし、優香の事故はスキューバダイビングをしている際の事故だった。
フェリーに乗っている私とは違うっ・・・
そう思うのに、なんとも言えない胸騒ぎがして中々寝付けずにいた。
私は、そっと起き上がっていつも持ち歩いているバッグの内ポケットに忍ばしているネックレスを取り出す。
そう、凪砂が誕生日の日にくれた、あのダイヤのネックレスだ。
普段は瀬凪が引っ張ったりするからあまり身につけないようにしているけど、今日はこれをしていれば凪砂が守ってくれるような気がしたから、そっと首に手を回しネックレスをつけてみた。