海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜



吊り上げられている間、凪砂は私の顔を見ることなく、ずっとヘリの方を見て合図を出したりしているから、全く気付かれる様子がなくて拍子抜けした。



そんな時、ふと目線を下にズラすと、肩から掛けていたバッグから【⠀母子手帳 】がチラチラ見えるのが視界に入った。




──まさか落ちたりしないよね?




いくら凪砂が支えてくれてるとはいえ、中々の力で揺れるロープの遠心力で、バッグから母子手帳がいつ吹っ飛んでもおかしくはない。




この母子手帳は、妊娠中からずっと日記のように大切に記録を残してきたものだから、絶対に手放したくはない。



仮にもし落ちてしまったとして、下にいる人達にこれを拾ってくれる余裕なんてきっとないと思った。




──…死守せねば


私は片手で瀬凪をグッと抱き寄せたまま、もう片方の手で落ちそうになっている母子手帳を押し込めようと、グッと力を込めた。


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