海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜


「入院中に見舞いに来た他の同僚や先輩のおかげで、退院するころにはアイツの死を受けいれられるようになってて・・・退院して直ぐに仕事に復帰した。」



この時俺は凪砂の精神力の強さを、本当に尊敬した。きっと俺ならズルズル引きずって、とても仕事に戻るなんて出来ないだろうから─…



「でも復帰したその日に、アイツ・・・晴輝の奥さんが、遺品を引取りに来たところに鉢合わせて・・・その時に見た彼女の姿がっ・・・とても目を向けられるような状態じゃなくてっ・・・」



そこまで話すと、凪砂は急に口元を手で覆い俯いて震え出した。


──…これ以上はまずい



凪砂の向かいに座っていた俺は、慌てて凪砂の元に駆け寄りそっと肩を抱いて背中をさすってやる。



それでも震えている凪砂に、何もしてやれない自分が情けなくなる。




「─…凪砂っ・・・凪砂!」




ただひたすら凪砂の名前を呼んで、落ち着くように背中を撫でていた。俺に続けて拓海と翔大も凪砂の名前を口にして、【大丈夫だ】っと安心させるように呼び続ける。



しばらくして、震えが治まった凪砂は「悪いっ」っと言って隣に座る拓海が飲んでいたビールのグラスを手に取ると、それを一気に飲み干した。



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