海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
「な、凪砂っち・・・もういいで?言いたくないこと話してくれたんやろ?もういいから、なんか他の話題っ・・・」
「いや、聞いて欲しいんだ・・・お前たちにはちゃんと、全部知っていて欲しい。」
空気を変えようとした拓海に断りをいれた凪砂は、もう大丈夫そうに見えたので俺も元の席に戻り、再び凪砂と向かい合わせになる。
「晴輝の奥さんのことは、アイツがよく写真を見せながら語っていたから知っていた。よく笑う、料理上手で陽気な嫁だって言っていつも自慢してた。」
少し懐かしむように表情を和らげた凪砂だったけど、直ぐにまた暗い表情を浮かべる。
「でもあの日俺が見た彼女は、そんな姿とはかけ離れた・・・やつれて、生気がない・・・今にも消えてしまいそうな、、そんな変わり果てた奥さんの姿を見た時・・・思ったんだよ。」
凪砂はそこで一度話すのをやめて、ジッと俺に目を合わせる。
「もし俺が死んだら、アイツ・・・萩花もこんな風になるんじゃねぇかって・・・そう考えたら俺はっ、アイツと一緒に居るのが怖くなったんだ。萩花には笑ってて欲しい、ずっと幸せで生きていて欲しいって。だからっ・・・だから、別れたんだよ」
凪砂が俺を見てそう言ったのは、きっとこれが・・・先程俺が凪砂を問い詰めたことに対しての答えだからなのだろう。