海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
「それだけじゃねぇぞ、凪砂っ・・・お前が船の上にいる時、陸が震源地の大地震が起きたらどうする?富士山が噴火したら?地下鉄でテロが起きたり、飛行機がスカイツリーに突っ込んだら?!そうなったら逆に、海にいるお前・・・一番安全なところにいるんじゃねえの?」
俺が何を言いたいのか、分かってきたのか、もう誰も何も突っ込んでくるやつは居なかった。
「なぁ、凪砂・・・"萩花より先にお前が死ぬ"なんて誰が決めた?お前より先に萩花が死ぬ可能性だってあるんだってこと、忘れてねぇか?優香のときにお前っ・・・痛いほどそれ、経験したんじゃねえの?」
俺のその言葉に、遂に凪砂の目から涙がこぼれ落ちる。
それでもやめない。萩花のために─…
──…凪砂のために。
「人間いつ死ぬかなんて誰にも分からねぇんだよっ!なのにお前っ・・・何、世界の不幸全部背負ったみたいな情けねぇ面してんだよっ!」
言ってるこっちも泣けてきて、上手く言葉が続かない。
それでも…誰かが凪砂に言って気付かせてやらないと、このままでは凪砂は凪砂では無くなってしまう気がしたんだ。
「こんな別れ方してっ・・・いつか後悔しても遅いんだぞ?!本当に会いたいと思った時、二度と会えなくなることだってっ、、」
「それでもっ!!俺はあいつに笑っていて欲しいっ…俺には無理だっ、無理なんだよもうっ・・・」
ここまで言っても【無理だ】っと言う凪砂は、きっと自信を完全に無くしてしまってるのだと思った。
それでも萩花のことを未だ引きずりまくっている凪砂に腹が立った俺は、凪砂の胸倉を掴んで席を立たせる。
「ふざけんなっ!お前誰だよっ!!お前なんか凪砂じゃねぇ、ちゃんと吹っ切れて萩花のことを迎えに行ってやれる人間に戻るまでっ…俺の前に姿見せるなっ!!」
そう言って力いっぱい凪砂の頬をぶん殴った。
「っ・・・お前が偉そうにっ、萩花のこと語ってんじゃねぇよっ!!!」
っと、よく分からない内容を凪砂にぶつけられた俺は、立ち上がった凪砂にやり返されて同じように吹っ飛ばされる。
──…コイツ、本気で殴りやがった