海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
一人状況が読み込めない状態の私の元に、お医者さんが入ってきたのはそれからすぐの事で。
額のガーゼを少し外してケガの度合いを確認し、私の意識がハッキリしているかなどいくつか診察のようなものをされ、今日一日入院して色々検査を受けることになった。
ケガ自体はそこまで重症ではないと言われたが、頭を打っているので検査がしたいという理由だったので、とりあえず安心した。
それよりも──…
あの事故が起きたのは私にとってはついさっきの出来事に思えるのに、麻酔で眠っていたせいで今の時刻は朝の8時を過ぎていて…長時間眠り続けた自分に軽く引いた。
先生が出ていってすぐ、入れ違いのように病室に入ってきたのは、、
「萩花さあ〜んっ!」
っと言って抱きついてきた美優ちゃんだった。
──…凪砂と瀬凪はっ?!
っと聞きたいところだけど、泣きながら私に抱きついてくる美優ちゃんにそんなこと聞けるはずもなく、「大丈夫だよ。ありがとう」っと言って、背中を撫でる。
「潮崎さんから洋ちゃんのスマホに、萩花さんが目を覚ましたって連絡があって飛んできたの!・・・実は昨日もここに来たんだけど、萩花さん眠ってたから・・・近くのホテルに泊まって待機してたんだ」
私に抱きついたまま、美優ちゃんはここに来るまでの経緯を話してくれた。
「ほら、入院とかってなったら瀬凪くんの面倒みるの大変そうだし・・・洋ちゃん一週間有休取ったから、萩花さんさえよければ・・・うちで瀬凪くん預かりますって、直接お伝えしたくて。」
─…あぁ、この子は本当になんていい子なんだ。
「美優ちゃん、ありがとうっ・・・正直言うと、瀬凪を病院で寝泊まりさせるの凄く不安だったの・・・既に昨日一泊してるみたいでお風呂も入りたいだろうし、お布団で寝かせたくて・・・」
何よりあんな事故が起こったあとだ、、瀬凪の精神面だって気になる。
「親しい美優ちゃんと、洋平が見ていてくれるなら、それほど安心出来ることってない。迷惑じゃなければ、今日一日だけお願いしてもいいかな」
本当は私だって今すぐ帰って瀬凪と二人、いつものお布団で床につきたい。
でも現状それは無理だし、近くに身内がいる訳でもないし、頼れるのはやっぱり普段から瀬凪を気にかけてくれている洋平たちしかいない。